施設紹介

施設紹介
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この度は「金沢 浅の川園遊会館」にお越しいただき、誠にありがとうございます。
当館は「茶屋文化」「金沢芸妓」「金沢 浅の川園遊会とまちづくり活動」について、パネルや実物展示、ジオラマ、映像で紹介する施設です。ひがし茶屋街入口にできた新たな情報発信拠点として、風情と文化薫る浅野川界隈の魅力をお届けしています。

名称にある「金沢 浅の川園遊会」とは金沢らしい情緒を堪能できる唯一無二のイベントで、その実行委員会が当館の運営母体となっています。

また、伝統の金沢町家をリノベーションした建物も見どころの一つで、随所にちりばめられた建築の美と粋をご堪能いただけます。中庭を望む休憩スペースもありますので、茶屋街散策の合間にぜひお立ち寄りください。心よりお待ちしております。

開館の経緯

「浅の川演舞場」から「金沢 浅の川園遊会館」へ

金沢の伝統文化が凝縮された浅野川界隈。そこで培われた環境を保全し、芸能の継承と界隈のにぎわい創出を目的に始めた「金沢 浅の川園遊会」は昭和62年(1987)の第1回から、令和3年(2021)で35回を数えるまでになりました。当初の浅野川河川敷を舞台とした催しから「白糸川床」へと形を変えながらも、思いは変わることなく開催されています。

園遊会は単なるお祭り騒ぎではなく、界隈が大切に培ってきた環境や文化に誇りと喜びを呼び覚ます「場」でもあります。藩政末期から明治期にかけて、浅野川界隈には「戎(えびす)座」「稲荷座」といった芝居小屋が立ち並び、興行が盛んに行われ、周辺の料理屋や芝居茶屋も大いににぎわったといいます。そうした歴史を踏まえ、「一般の人が気軽に伝統芸能を楽しめる演舞場があれば、芸能文化のシンボルゾーンとして、新たな町の活力が生まれるのではないか」という思いから平成8年(1996)、「浅の川演舞場」建設を打ち出しました。完成予想図を作り、専門家らと協議を重ね、広く市民に訴えました。また、建設資金づくりのため、基金箱を界隈の商店や銀行など200カ所に設置、募金活動を続けました。

園遊会の積み重ねを経て、今日の界隈は金沢の文化に触れる場所として人気を得、内外から多くの人が訪れるようになりました。そして、私たちの長年の願いであった「浅の川演舞場」建設の帰着点として開設したのが「金沢 浅の川園遊会館」です。浅野川界隈に息づく伝統・芸能文化、まちづくりの軌跡を紹介する資料館として、芸事の伝承、芸妓の稽古・発表の場としての役割を備えることで、文化都市金沢の発展に寄与できれば、と願ってやみません。

関係者の集合写真(2005年)

「浅の川演舞場」完成イメージ

展示室紹介

本館1F 金沢芸妓・茶屋文化の紹介

金沢芸妓の息遣いが聞こえる

金沢芸妓と茶屋文化

金沢芸妓の「芸と技」「おもてなし」について、美しい写真パネルで紹介。鼓や笛、三味線、扇子などの実物展示と併せて、花街の粋と雅な茶屋文化を身近に感じることができます。「金沢芸妓200年」の巨大タペストリーもあります。

中庭

本館と蔵をつなぐ通路にある中庭。まちの喧騒を忘れられる貴重な空間です。

休憩スペース

中庭を眺めながらほっとひと息。茶屋街散策の休憩に、お気軽にご利用いただけます。
ワークショップの場所としてもご提供しております。

本館2F お座敷舞台 ほか

お座敷舞台で“旦那衆”気分を味わう

お座敷舞台

館内中央の階段を上がると、そこは「非日常」のお座敷を再現した空間です。特設の舞台では金沢芸妓の稽古やお座敷遊びを紹介するミニシアターも鑑賞できます。

お座敷舞台は貸館としてご利用できます(有料)。
詳細は利用案内をご覧ください。

蔵1F/2F 1F茶屋街の紹介/2F「金沢 浅の川園遊会」の紹介

茶屋街の歴史と浅の川園遊会の軌跡をたどる

茶屋街パネル・ジオラマ

1Fは、ひがし茶屋街と主計町茶屋街をパネルで紹介。さまざまな表情の写真のほか、藩政期や明治期の絵図などもあり、見ごたえがあります。中央には、ひがし茶屋街の建築様式、内外の様子を精巧に再現したジオラマがあります。

茶屋「志摩」ジオラマ

ひがし茶屋街にある茶屋「志摩」のジオラマ。「志摩」は、文政3年(1820)に建てられた茶屋で、江戸時代の姿をそのまま残す貴重な文化遺産であり、国の重要文化財に指定されています。金沢工業大学建築学部建築学科・竹内研究室の学生さんによる力作です。

浮き舞台ジオラマ

2F は「金沢 浅の川園遊会とまちづくり活動」について、実物展示や貴重な映像で紹介しています。浅野川に設置された「浮き舞台」もジオラマで再現。当時のにぎわいが伝わってきます。